会期:2025年4月26日(土)~6月8日(日)
会場:宮崎県総合博物館
展示作品数 写真/132点・動画/14点
第45回SSP展宮崎展は、宮崎県総合博物館の特別展示室を会場に4月26日(土)~6月8日(日)までの休館日を除き38日間の期間で開催されました。博物館でのSSP展開催は21回目となりました。
展示会場内は、全写真作品をジャンル毎に分け1段配置による展示。動画作品は2.3m×2.3m程のスクリーンにプロジェクターで投影され、三人掛けの長椅子を二列を前後に配したシアター形式のゆっくり鑑賞が出来る工夫されていました。
また、写真からでは分からない被写体の大きさや見えない所などを補足するように昆虫標本や生き物の剥製など博物館ならではの展示もなされていました。
会場での様子は、親子で写真を指差ししながら会話する光景や、作品1つ1つを熱心に観て行く中高年の人などの姿が多く見られ、若いカップルや親子連れから年配の夫婦までと幅広い年齢層で、誰しもが楽しめる写真展であることが伺えました。
また、今回はクラッシックカメラコレクションとして博物館所蔵の懐かしのカメラ70台げ展示され、カメラ愛好家にはもちろん、若い世代にも興味津々の様子でした。
開会式とガイドツアーでは写真展委員の東木場氏(私)と学芸員がガイドを務め、私は8点の作品の解説、学芸員の方はクラッシックカメラの解説をされました。一日博物館館長の5人の子供たちは貴重な生き物が地元宮崎で見られることに感動したり、撮影の難しさと撮影技術に感心しきりの様子で、真剣な眼差しで解説を聞き入っていました。
宮崎展関連イベント「生きものKids写真教室」は9名の子供とその家族が参加され総勢22名の参加となりました。
先ずは生き物の探し方から撮影方法に至るまでの流れを順に説明しました。その後、撮影場所となる民家園へと移動し、カメラの正しい持ち方や接写の撮影方法のレクチャーの後、撮影に移りました。撮影が始まると、子供達はそれぞれに生き物を探しに駆け出し、小さな草花を屈んで撮ったり、慣れない望遠レンズで舞うチョウを追い続けたり、頭上の昆虫を見上げて撮ったりと撮影を勤しんでました。そんな我が子をサポートする親の姿もあちこちで見られ、終始和やかな雰囲気でした。
撮影終了後は博物館に戻り、各自1点ずつの写真提出、そして作品発表と講評に移ります。拙い言葉で懸命に発表する子供の姿に暖かい拍手が贈られたり、大人顔負けの写真や着眼点のユニークな写真が映し出されると「おぉ!凄い!」といった声が湧き上がるなどの場面もあり、盛況の内に写真教室が終了しました。
参加者からは親子で楽しい時間が過ごせたこと、子供の新しい一面が見れたことなどの感謝の言葉に加え、「来年は下の子も参加させたいと思います」との嬉しい言葉も頂きました。子供達の作品は1階エントランスで宮崎展会期中展示されました。
講師は写真展委員の東木場氏が務めました。
5月18日(日)、SSP展宮崎展に於いて「入場者数5000人」のセレモニーが行われました。5000人目に選ばれたのは宮崎市内からご来館された本(もと)さん親子で、お子さんは小学5年生でした。博物館副館長(黒木さん)と私(東木場写真展委員)から記念品の贈呈を致しました。
この時期までの入場者数5000人は例年通りのようで1万人突破の期待が高まりました。
宮崎展関連イベント「プロに学ぶ写真撮影講座」は定員25名のところ若干名をプラスして28名となりました。
午前の部は座学と室内撮影で、多様なシャッター方式とその仕組みの解説とシャッター速度を変えてのユニークな撮影技法での撮影を行ないました。
午後の部では屋外撮影と参加者の写真講評に写真談義で、各々に撮影を楽しみ、また写真についての談話や情報交換など会話が尽きないほど盛況でした。
日頃意識していないシャッター速度を敢えて変えての撮影にカメラの設定に戸惑ったり、思うように撮れなかったりと四苦八苦する場面もありましたが、撮れた時の驚きや喜びで皆、感動している様子でした。
講師は写真展委員の福島英樹氏と東木場昭裕氏が務めました。
ギャラリートークでは作品数点をピックアップし、作品に登場する生き物の生態や撮影技術、撮影秘話など写真だけでは知り得ない興味深い内容を解説をします。
開催中に5回のギャラリートークがあり、6月1日(日)は宮崎のSSP会員3名が集い、それぞれの得意分野と自らの作品について熱く語らせて頂きました。40名近く集まった参加者は一同に頷いたり、驚いたりと熱心に話しに聞き入っている様子で、ギャラリートーク後もそれぞれの会員が参加者の質問に応えるなど大変盛況でした。
観覧者の多くは興味の有るジャンルだけをじっくり見て行く傾向があるので、このように色んな分野の専門的な話や、写真の中身について説明することで新たに興味を持ってもらうキッカケになってもらえればと思っています。
柳田恒一郎氏、福島英樹氏、東木場昭裕氏が務めました。
宮崎展最終日のイベントとして午後のギャラリートーク終了後からカブトムシの蛹争奪ジャンケン大会と入場者数10000人突破記念のジャンケン大会が行なわれました。
カブトムシは私がこの日の為に1年掛けて飼育したもので、オスメスの入った容器4セット、蛹の総数20匹を提供しました。
大型看板、ポスター、チラシ、SNS等博物館の積極的な協力と知名度に支えられ今回も入場者数1万人越えの10666人となりました。
博物館での展示も20回を越え、長く開催されて来たことでリピーターが増え定着して来た結果が現れているように思えます。アンケートの内容からもそれを覗い知ることができました。
最後に、設営に駆け付けて下さいました県内のSSP会員の皆様、博物館の学芸員の方々とスタッフの皆様方、大変お世話になりました。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
(写真提供:宮崎県総合博物館)
報告者:写真展委員 東木場 昭裕